人間は成長とともに、家庭や学校、友人関係、受験勉強、部活動、就職、転勤、結婚、出産など生活上の変化が起こり外部環境が変化し、人間関係を中心としたさまざまの問題に直面します。問題がすぐに解決するという場合は少なく、次第にストレスを感じるようになります。また、年齢とともに体の内部環境が変化しいろいろな身体の病気にかかりやすくなります。さらに女性の場合、生理の前後で心身の症状を生じやすくなります。これらもストレスの原因となります。 |
外部環境からのストレス + 本人の性格傾向 → 自律神経症状 + こころの症状 |
原始時代、人間は敵や獲物を前にしたとき、「戦う」か「逃げる」かを瞬時に決定しなければなりませんでした。遅れると、自己の生命にかかわってきます。不安や恐怖感、怒りの感情が湧き上がると、自律神経のうち交感神経が興奮して、全身の筋肉が緊張し、血圧が上がり、脈が速くなり、汗が噴き出し、顔が熱くなり、瞳孔が開きます。このような神経の反応は今でも体に組み込まれていますが、現代の生活でこのような神経反応が生じると過剰反応になってしまい、ストレスとして心臓や血管、胃腸に悪い影響を与えます。また、これほど強くなくても、弱い反応が毎日持続すると、ストレスとして蓄積し、いろいろな症状につながります。 |
ストレスを感じ自律神経を調整する場所は、脳の奥にあることがわかっていますが、ここを手術などで直接治療することはできません。また、ストレスの原因となっている周囲の環境を調整する努力は必要ですが、思うように運ばないことも少なくありません。 |